WEBページへのアクセスや連絡先の交換、キャッシュレス決済やモバイルチケットにも用いられているQRコード。その発祥が日本だということは、あまり知られていません。こちらではQRコードの誕生秘話やそのすごさについてまとめました。
QRコードの誕生ストーリー
現場の声から新しいコード開発がスタート
QRコードの開発が始まったのは1992年のこと。当時は小売業界だけでなく、製造業界・物流業界でもバーコードが利用されていました。しかし、バーコードの容量は英数字で最大20文字しかなく、多くの情報を持たせるのが困難。当時バーコード読み取り機の開発を行っていた株式会社デンソーに改良を求める声が届き、よりコンパクトで、より多くの情報を持たせられる新しいコードの開発が始まったのです。
開発チームはたったの2人。バーコードが一次元(横方向)のコードであるのに対し、縦にも情報をもたせられる二次元コードをベースにした、新しいコード開発がスタートしました。
試行錯誤の結果生まれたアイデア
当時とくに苦労したのは、読み取り速度の向上でした。試行錯誤を繰り返し、考案されたのがQRコードの目印となる「切り出しシンボル」というアイデアです。切り出しシンボルとはQRコードの角にある3つの四角のことで、『回』のような形をしています。形の比率は1:1:3:1:1。この独自の比率を持つ「切り出しシンボル」があることで、正確なコードの位置・形を瞬時に読み取れるようになったのです。
QRコードのすごい特徴
QRコードの名前の由来は、迅速な対応を表す「Quick Response(クイックレスポンス)」。その名の通り、読み取り速度は0.03秒と非常に早く、以前のコードと比べると10倍以上のスピードを実現しています。それでいてデータ容量も大きくアップ。バーコードは英数字で20文字程度でしたがQRコードはその約350倍。英数字なら7,000文字以上のデータを持たせることができ、ひらがなや漢字にも対応しています。
QRコードの誕生と普及の背景
そして、1994年にQRコードが誕生し、世界に広がっていきました。QRコードが普及した要因は、開発会社・デンソーがQRコードの権利を行使せず、誰でも自由に利用できるものとして仕様をオープン化したことが大きいでしょう。より多くの人に使ってもらいたい、そんな開発者の想いがあったからこそ、QRコードはここまで発展したのです。