サンタクロースの出身地はフィンランド、というのは有名ですが、実はその起源はフィンランドではなくトルコとされています。こちらでは誰もが知っているサンタクロースの意外と知られていない起源について紹介します。
サンタクロースの起源
サンタクロースのモデルとなった人物
サンタクロースは実在した人物をモデルにしています。それは4世紀にトルコ(当時は小アジア)にいた聖人・聖ニコラス。彼は貧しい人や困っている人に自身の財産や持ち物を与えて助けていた優しい人物で、さまざまな逸話が残されています。
聖ニコラスの逸話
とくに有名なエピソードは、子どもを身売りしなければならないほど貧しい家庭を助けるために、煙突から金貨を投げ入れたというもの。煙突から投げ入れられた金貨は暖炉のそばにあった靴下の中に入りました。おかげで少女は身売りされることなく、またそのお金を持参金にして結婚できたと伝えられています。その家にはほかにも娘が2人おり、聖ニコラスはその2人も同じように救ってあげました。
「サンタクロースは煙突から家に入る」、「靴下のなかにプレゼントを入れていく」というのはこの逸話がもととなったと言われています。
このほかにも船乗りを嵐から救った、殺された子どもを生き返らせたなどの伝説が残っている聖ニコラス。常に子どもや貧しい人に優しく接してきた彼は「子どもの守護の聖人」として、その逸話が死後も伝えられました。
聖ニコラス祭がクリスマスプレゼントのはじまり
聖ニコラスが亡くなった後、ヨーロッパでは命日である12月6日に聖ニコラス祭が行われるようになりました。子どもの守護の聖人とされた聖ニコラスを讃える日で、ベルギーやオランダではその前夜に子どもたちにプレゼントを贈るのが習慣に。
これがイエス・キリストが誕生したクリスマスの日に三賢人が贈り物をおくって祝福したというエピソードと結びついて、「クリスマスにはサンタクロースが訪れて子どもにプレゼントを贈る」という風習になり、アメリカ全土へと広がっていたのです。
サンタクロースの故郷がフィンランドになっているのはなぜ?
サンタクロースのモデルとなった人物はトルコの聖人・聖ニコラスですが、サンタクロースの故郷といえばフィンランドが有名ですよね。当時の言い伝えではサンタクロースの故郷は北極とされていました。
そこでフィンランドのラジオ放送が「サンタクロースはラップランド(フィンランド・スウェーデン・ロシア北部を含むエリア)のコンバトントリという山に住んでいる」と発表したところ、アメリカの新聞にも掲載され、世界中に広がっていったのです。